top of page


量子暗号をめぐる各国の動向
米国国家安全保障局(NSA)は、量子暗号の一方式であるQKD(量子鍵配送)について、国家の重要システムには使わないと明言している。一方、中国は同じ技術で総延長1万2000キロを超える通信網を実際に敷いた。北京と上海を結ぶ2000キロの基幹回線を持ち、専用の人工衛星まで打ち上げている。この記事では、量子暗号をめぐる各国の動きと、日本企業にとって何を意味するのかを整理する。 (用語の解説:PQCは「量子コンピュータでも破れない新しい数学に基づく暗号」でソフトウェアとして導入する。QKDは「物理法則を使って鍵を配る技術」で専用装置と光ファイバーが必要である。両者の詳細は別記事「注目が高まる量子暗号とは。その重要性とQKDとPQCに関する解説」で扱っている) PQCとQKDの対立と各国の動向 各国の動きは複雑に見えるが、実際には「PQCだけでいくか、QKDも併用するか」のいずれかである。米国から中国へ向かって、QKDの比重が上がっていく。 国・地域 力点 政策の方針 米国 PQC一本(QKDは政府として非推奨) PQC標準を作り、導入期限を設定 欧州(E

安田 和貴/Yasuda Kazuki
7月24日読了時間: 8分


注目が高まる量子暗号とは。その重要性とQKDとPQCに関する解説
あなたが今日送った暗号化メールは、いま盗まれても解読できない。しかし、量子コンピュータが実用化すれば、暗号を解読して中身を読める可能性がでてくる。暗号化した時点では安全でも、後から遡って破られるのである。そのため、攻撃者は今は読めないデータを量子コンピューターが実現するまで保存しておけばよい。セキュリティ業界はこれを「Harvest Now, Decrypt Later(今収穫し、後で復号する)」と呼ぶ。 量子コンピュータの実現は、専門家の見立ては2030年代半ば以降に集まるが、幅は大きく、確かなことは誰にも言えない。一方で、対策として量子コンピュータでも破れないとされる新方式の暗号が標準として確定しつつあり、量子暗号と呼ばれている。2026年6月、米国政府は量子暗号の導入期限を従来の想定から4〜5年前倒しした。連邦政府機関は2030年末までに移行を終えなければならず、政府と取引する企業にも同じ要求が及ぶ。 この記事では、量子暗号という言葉が実際には何を指しているのか、量子暗号技術の種類や各国の動向に関して解説する。 暗号の種類と量子コンピュータ

安田 和貴/Yasuda Kazuki
7月23日読了時間: 9分


AIによるドローン終末誘導: AIはどのようにドローンの戦いを変えるか(ウクライナ・ロシア戦争)
ウクライナのFPVドローンに、小さなAIモジュールが載りはじめている。操縦者が目標を指定してロックすると、そこから先、最後の400〜500メートルは機体が自分飛行していく仕組みである。手動のFPV(First Person View:操縦者がゴーグルで機体の視点を見ながら飛ばす小型攻撃ドローン)では通信を妨害されると墜落していたが、AIを搭載することで終末誘導が可能となり、目標に突入することができる。ウクライナの前線におけるAI活用に関して深堀する。 終末誘導としてのAIの活用 ウクライナ最大級のドローンメーカーの一つVyriy(ヴィリー)は、2025年9月、キーウの自律技術企業ザ・フォース・ロー(The Fourth Law)と組み、FPV機「Vyriy-10」に終末誘導モジュール「TFL-1」を積んで量産を始めた(ウクライナ・プラウダ、2025年9月15日)。別名、カミカゼドローンとも呼ばれている。 使い方は次の通りである。操縦者はこれまで通り機体を手動で飛ばし、目標を映像で見つける。目標を指定してロックすると、機体は自律モードへ切り替わり、

安田 和貴/Yasuda Kazuki
7月23日読了時間: 9分
bottom of page
