top of page

【VCAT.AI】生成AIをマーケティングの「インフラ」へ。グローバル企業のクリエイティブに革命を起こす韓国発スタートアップ

  • 執筆者の写真: 安田 和貴/Yasuda Kazuki
    安田 和貴/Yasuda Kazuki
  • 7月13日
  • 読了時間: 6分

近年、生成AI技術は目覚ましい発展を遂げており、ビジネスシーンでも導入が進んでいます。しかし、多くの企業では「試しに使ってみた」という段階に留まっており、実際の業務フローに組み込んで確かな投資対効果(ROI)を生み出すまでには至っていないのが現状です。こうした課題に対する明確な解決策として注目を集めているのが、マーケティングコンテンツ生成に特化したAIソリューションを提供する韓国発のスタートアップ「VCAT.AI」です。同社は、グローバル企業が抱えるクリエイティブ制作の属人化や品質のばらつきを解消し、業務のインフラとしてAIを定着させる包括的な支援を行っています。今回は、同社の日本展開を牽引する日本担当の山下氏に、自社の強みや具体的な導入実績、そして今後の事業展開について伺いました。


AIを「新しいツール」からクリエイティブ制作における「インフラ」へ

私たちVCAT.AIは、画像や動画といったマーケティングコンテンツの制作と、そのためのツール提供に特化した企業です。現在、世の中ではAIを使って可愛い画像を作ったり、文章を作成したりといった用途が広がっていますが、私たちはAIを単なる「新しいツール」として終わらせるべきではないと考えています。AIを導入して業務の構造が変わり、確かな成果(ROI)が出て初めて意味があるのです。


そのため、当社は全社的な統制力を持ってAIを使いこなし、組織のインフラとしてクリエイティブ制作業務に深く食い込ませることを重視しています。この理念のもと、私たちは主に以下の3つのサービスを展開しています。


  • VCAT.AI:誰でもどこでも、決められたルール通りに正確なクリエイティブ制作が可能なSaaS

  • Creagen Lab:最新のAI技術を活用してコンテンツ制作を代行するクリエイティブチーム

  • Creagen:お客様の業務フローに合わせたオーダーメイドのソフトウェア開発・提供(SaaS)


VCAT.AIが提供するソリューション
VCAT.AIが提供するソリューション

ヒョンデ自動車(Hyundai)が実証した、圧倒的なブランド統制とコスト削減

当社のサービスを効果的にご活用いただいている事例の一つが、ヒョンデ自動車様です。同社は世界40カ国に500箇所の海外支店を持っており、各国のマーケティングにおいてブランドガイドラインに沿ったアウトプットを出す必要がありました。しかし、200ページを超える厳格なガイドラインを用意し、現地での直接教育を行っていたにもかかわらず、各国のクリエイティブは統一感を欠いた状態になっていました。


そこで、当社のVCAT.AIの技術を用いてソフトウェアを開発し、「Hyundai AD Creator」として納品させていただきました。その結果、どの国で誰が作ってもブランドガイドラインが守られた制作物を生み出せるようになり、グローバルでのブランド価値の毀損を防ぐことに成功しました。アウトプットが綺麗になっただけでなく、クリエイティブ制作費用を8億円以上削減するという大きな成果を創出し、世界的なデザイン賞である「iF Design Award」の受賞にも大きく貢献しています。



日本市場における実績とクリエイティブの力

日本市場においても、実績を積み重ねています。例えば、国内大手企業である明治様とは、ファミリー層をターゲットにした商品のクラウドファンディング用動画の制作でお取り組みをさせていただきました。商品の魅力や制作過程が伝わる動画を私たちが制作した結果、目標値の8.5倍を達成するという大きな成果につながりました。



また、韓国の飲食ブランド「マムズタッチ」様が日本でローカライズを強化する際の動画制作では、単に韓国での実績をアピールするのではなく、日本の消費者に刺さる「応援団(学ラン)」のコンセプトを採用しました。これにより、公開からわずか1ヶ月で50万回再生を達成しています。



さらに、三菱自動車様とのプロジェクトでは、フィリピンの海外支店におけるSNS向け画像制作をご支援しました。通常、背景や人物、車をスタジオ撮影すると100万〜300万円ほどの費用がかかりますが、当社のAIを活用することで、パソコン上のみで撮影と遜色のない高品質な画像を生成・完結させることができています。


三菱自動車 SNS向け画像コンテンツ
三菱自動車 SNS向け画像コンテンツ

制作日本から専用SaaSのオーダーメイド開発までを一気通貫で提供

次々と新しいAIツールが登場する中、当社の差別化要素は以下の2点にあります。


  1. エンタープライズ企業への圧倒的な導入実績:ネイバー、ロッテ、アモーレパシフィック、ロレアルといったグローバルな大企業において、実際の業務に貢献できている確固たるリファレンスがあります。

  2. 社内スタジオ機能とソフトウェア開発の融合:一般的なツールベンダーとは異なり、当社は自社内にクリエイティブチームとソフトウェア開発チームの両方を保有しています。


特に2点目が私たちの最大の武器です。いきなりお客様企業でVCAT.AIを導入いただくのではなく、初めは「制作代行」という業務変化の少ない形で、当社のアウトプットの質の高さや導入効果を実感していただくことが可能です。その後、そのプロセス自体をシステム化し、お客様専用のソフトウェア(SaaS)としてオーダーメイドで開発・提供することができます。


日本マーケットにおける今後の展望

当社は2024年6月に日本に進出しました。日本市場には、韓国と比べて「AIへの心理的ハードル」や「職人気質」といった特有の文化があると感じています。そのため、単なる言語の日本語対応にとどまらず、日本の皆様が受け入れやすい美的感覚やウェブサイト構成への完全なローカライズを今後の重要なテーマとして進めています。

事業展開のロードマップとしては、まず日本国内でヒョンデ自動車様のような成功事例を作ることを目指していきます。特に、自社商品をお持ちのメーカー様や、ECを通して商品の販売を行われている企業様に価値をご提供できると考えています。


また、日本特有の商流に合わせ、ギブリー様やアドインテ様といった国内のパートナー企業様との連携も強化し、彼らのシステムに当社の機能を上乗せして展開していただくようなアライアンスも積極的に推進してまいります。


■ 終わりに

多くの企業がAIの活用方法を模索する中、VCAT.AIは「クリエイティブの品質向上」と「オペレーションの自動化・専用システム化」という価値を同時に提供することで、独自の立ち位置を確立しています。単なるツールの提供にとどまらず、顧客の課題に合わせたインフラ構築まで踏み込む同社のソリューションは、日本企業のマーケティング業務の生産性を飛躍的に高めるポテンシャルを秘めています。今後、日本市場の特性に合わせたローカライズとパートナーシップの拡大により、業界全体へ大きなインパクトをもたらすことが期待されます。


インタビュー企業概要

企業名: VCAT.AI(Pion Corporation)

※インタビュー企業との連携や商談をご希望の方は当メディア運営企業のThird Ecosystem, incもしくは直接インタビュー企業までご連絡ください。

最新記事

bottom of page